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消化器内科

消化器内科では、主に「食道、胃、十二指腸、小腸、大腸」の症状を診療いたします。
消化器内科専門医として適切に診断・治療をさせていただきます。
当院では内視鏡検査は行っておりませんが、必要があれば適切な連携医療機関へご紹介いたしますのでご安心ください。

下記に代表的な病気をいくつか挙げてみました。
「胃潰瘍と十二指腸潰瘍」は治療の進歩によって、最近は減ってきていますが、ピロリ菌や薬剤性の潰瘍についても知っていただきたいので、その部分を中心に書いてみました。
あとは、最近とても患者様が増えている「逆流性食道炎」と、お困りの方がとても多い「過敏性腸症候群」を選びました。少しでも参考になれば幸いです。

胃・十二指腸潰瘍
(消化性潰瘍)

どんな病気で、どんな原因でなるの?

まず「潰瘍」とは、粘膜の炎症がひどくなり、えぐれて深い傷ができることをいいます。つまり、消化性潰瘍は、胃炎や十二指腸炎がひどくなったものとお考えください。
消化性潰瘍の主な原因は、「ヘリコバクター・ピロリ菌」によるもので、ピロリ菌に感染すると、胃粘膜に炎症が起こり、胃を守る粘液の分泌が低下するため、潰瘍ができやすくなります。さらに、ピロリ菌に感染している人では、喫煙やストレスも原因となります。
次に多いのが「痛み止めの薬」によるものです。痛み止めの中でも非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニン、ボルタレン、アスピリン、イブ、バファリンなど)は、胃粘膜を保護する物質を抑える働きがあるため、潰瘍の原因となります。
また、脳梗塞や心筋梗塞の再発防止や予防の目的で、血液をサラサラにする薬(アスピリンなど)を内服されている方も注意が必要です。
近年、「ピロリ菌」の感染者が減ってきたことや治療薬の進歩により、最も患者様が多かった頃と比べ、胃潰瘍は約4分の1、十二指腸潰瘍は約10分の1まで減っています。一方で、日本では高齢化に伴い、非ステロイド性抗炎症薬を服用する患者様が増えており、薬が原因でおこる潰瘍が増えています。

どんな症状がでるの?

無症状の方もなかにはいらっしゃいますが、下の項目に当てはまる症状がある方は是非ご相談ください。

  • 上腹部、みぞおちの鈍い痛み
  • 食後の痛み(胃潰瘍)
  • 空腹時や夜間の痛み(十二指腸潰瘍)
  • 吐き気、胸やけ
  • 吐いたものに血や黒いススのようなものが混じる
  • 黒い便がでる
  • 血液検査で貧血といわれた

消化性潰瘍の検査や治療は?

症状が強く、潰瘍まで疑われる場合は内視鏡検査を検討します。また出血が疑われる場合は高次医療機関で緊急内視鏡を行う必要があります。
治療は内服薬が基本となります。胃酸を抑える薬や胃の粘膜を防御する薬を服用することで、6~8週間で治癒します。再発予防のために、ピロリ菌に感染している人は除菌治療を、非ステロイド性抗炎症薬を飲んでいる方は薬の中止や変更を行います。

ピロリ菌について

ピロリ菌の検査や除菌は、誰でもできるの?

ピロリ菌検査を「保険診療」で行うには以下のいづれかに該当しなくてはいけません。そして、該当される方で陽性が出た場合に保険診療で除菌を行うことができます。

  • 内視鏡検査において胃炎(慢性胃炎、萎縮性胃炎)と診断された方
  • 内視鏡検査または胃バリウム検査において、胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された方
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の方
  • 特発性血小板減少性紫斑病の方
  • 胃MALTリンパ腫の方

つまり、保険診療で検査・除菌を行うには、ほとんどの方は内視鏡検査が必須になります。
人間ドッグ(自費検査)でピロリ菌が陽性と判定されても、内視鏡検査またはバリウム検査を行って胃炎や潰瘍と診断されていないと保険で除菌は行えません。
なお、ドッグや他院で行った内視鏡検査結果を持参いただいた場合は、当院でピロリ検査・除菌を行えます(保険診療)。
また、「内視鏡はしたくないけど、ピロリ検査・除菌をしたいという方」は全額自己負担(自費診療)になりますが行うことができます。費用はどの検査法を選ぶかなどにより、異なりますが、概ねピロリ菌検査(診察料込み)のみで5000円~10,000円前後、陽性となり除菌が必要となると、1万5000円(診察+除菌判定検査+除菌薬代込み)前後が追加となります。詳しく聞いてみたい方はお気軽にお問い合わせください。

検査から除菌までの流れは?

検査から除菌までの流れ

検査は6種類が保険適応となっていますが、最も信頼性が高いのは尿素呼気試験です。検査用の錠剤を服用し、吐いた息を検査に出すだけの簡単な検査です。他には血液検査や便の検査がよく行われます。
検査の注意点として、胃酸抑制剤や胃粘膜保護剤、抗生剤などを服用していると、ピロリ菌がいるのに陰性と判定される可能性があるので、これらの薬を変更・中止して2~4週間以上あけてから検査を行います。
ピロリ菌が陽性だった場合は除菌治療を行います。治療は2種類の抗生剤と胃薬を1週間服用します。そして、内服終了後2ヶ月以上(少なくとも4週以上)空けて、除菌が成功したかどうかを確認するために尿素呼気テストを行います。現在、除菌の成功率は除菌薬が改良され、1回で成功する確率は90%近くまで向上しました。

胃食道逆流症、逆流性食道炎

どんな病気なの?

食生活の欧米化、病気の認知度が上がったこと、ピロリ菌感染が減り元気な胃(胃酸が活発に出る胃)を持つ人が多くなったことなどから、患者数が激増しています。現在では成人の10~20%がこの病気であるといわれています。症状が強い方だと、わずらわしい胸やけ症状によって、食事が楽しめない、ぐっすり眠れない、仕事に集中できないといった生活の質の低下がみられます。お困りの方は早めに受診いただき適切な治療を始めましょう。

病気の原因は?

胃からは、食べ物を消化するために胃酸が分泌されています。この胃酸のpHは通常1-1.5と強酸性です(ちなみに酸性洗剤の「サンポール」とほぼ同じpHです)。胃の粘膜は粘液などで胃酸から守られていますが、食道は胃酸に弱く容易に傷ついてしまいます。食道が逆流してきた酸に長くさらされると、食道粘膜がただれ逆流性食道炎が起こります。
通常は、胃と食道のつなぎ目が胃酸の逆流を防いでいますが、このつなぎ目が上にせり上がる「食道裂孔ヘルニア」という病気があると逆流防止のはたらきが弱まり、胃酸がより食道に逆流しやすくなります。また後述するように、「日常生活・食事の習慣」から逆流がおきやすくなっている場合もあるため生活の見直しが必要です。

どんな症状がでるの?

下記の症状がある方はご相談ください。

  • 胸やけがする
  • お腹が張る
  • 食後に胃が重苦しい、もたれる
  • 思わず、手のひらで胸をこすってしまう
  • 食後、気持ちが悪くなる
  • のどの違和感(ヒリヒリなど)
  • 食事の途中で満腹になる
  • 苦い水、酸っぱい水(胃酸)が上がってくる
  • ゲップがよく出る
  • 前かがみになると胸やけがする

検査や治療はどうするの?

基本的には症状と内視鏡検査で診断しますが、症状がないのに食道炎がある方や、症状があるのに食道炎がない方もいます。これらはすべてを含めて胃食道逆流症と診断されます。
必ずしも内視鏡検査は必要ありませんが、薬をもらって治療をしても症状がなかなか良くならないときは検査を検討しましょう。
治療薬は、胃酸の分泌を抑える薬が有効です。プロトンポンプ阻害薬(PPI)や、従来のPPIと比べより強く酸分泌を抑えるカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)がよく使われます。
自覚症状や食道炎が改善した後にお薬を継続するかどうかは、患者様ごとに判断します。軽症の方は、日常生活に気を付けるだけで症状が抑えられることもあるので、この場合にはお薬の継続は不要です。一方、食道炎が強い方や薬を中止すると症状が再び出現する場合にはお薬を続けることが勧められます。最近では、患者様自身の判断で症状が出たときや、出そうなときに薬を服用し、よくなったら中止する「オンデマンド療法」を行うこともあります。

日常生活で気をつけることはありますか?

食道の下部には胃の内容部や胃酸の逆流を防ぐための機能がありますが、日頃の生活における動作や食事のなかにこの機能を低下させるものがあり、それらを続けていると、胃食道逆流症の症状があらわれたり、さらに悪化したりしてしまいます。 具体的には、

  • 肥満
  • 腹部の締め付け(ベルトやパンツの締め付け)
  • 重いものを持つ、いきむ
  • 前かがみの姿勢、猫背
  • 右を下にして寝る(胃食道逆流症の場合は、左を下にしたり上半身を少し起き上がらせて寝ると逆流を防げます)
  • 喫煙
  • 食べすぎ
  • 就寝前の食事
  • 脂肪が多い食事
  • チョコレート
  • コーヒー
  • アルコール
  • 炭酸飲料
  • ミカンなどの柑橘類

生活習慣・食生活の改善を頑張っても症状がよくならない場合には、お薬の服用でよくなることが多いのでご相談ください。

過敏性腸症候群(IBS)

どんな病気なの?

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome)は、大腸に炎症や腫瘍などの病気がないのに、お腹の痛み、不快感、便通異常(便秘や下痢など)が数ヶ月以上続く病気です。若い世代を中心にやや女性に多く、年齢とともに減ってくる傾向があります。およそ日本人の10~15%がこの病気であるといわれています。
この疾患は致命的なことは起こしませんが、症状のコントロールが難しく日常生活や仕事に支障をきたしているケースが多々あり、生活の質の低下が問題となっています。
なかには周囲から精神的に弱いと思われ、そのストレスから心の病気に繋がることもあります。
多くの方が経験している病気です。決して恥ずかしがることはありません。「自分はもともとお腹が弱いから」「病気というより体質だから」と我慢せずにお気軽にご相談ください。

どんな症状がでるの?
症状チェックリスト

  • 1日3回以上下痢をすることがよくある
  • 週に3回以下しか便が出ないことがよくある
  • 下痢と便秘を繰り返すことがよくある
  • お腹が張っていることが多い
  • 便をした後に、便が残っている感じがする
  • 試験や会議など、緊張したり、不安を感じるとお腹が痛くなることが多い
  • 出勤時、学校に行く前に限ってお腹の調子が悪くなる
  • 通勤、通学中に腹痛でトイレに駆け込むことがある
  • 人前で緊張するとガスが出る
  • 旅行中も急な腹痛でトイレに駆け込む
  • 寝ているときは、症状が現れない
  • 1ヶ月以上、おなかの調子が悪い日が続く
  • 平日と休日で症状が変わることが多い

上の項目で該当するものが多い方は、IBSの可能性がありますので、お困りの方はご相談ください。

病気の原因は?

IBSになってしまう原因はまだはっきりわかっていません。現在も原因を突き止めるための研究が盛んに行われていますが、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかった場合、回復後に6~7倍、IBSの発症率が増加することが知られています。
何らかの原因でIBSになると、脳と腸の間の情報交換が乱れてしまいます。脳がストレスや不安を感じて、腸を動かす神経が激しく刺激されたり、痛みを感じる神経が「知覚過敏」になってしまいます。

治療はどうするの?

まずは生活習慣を見直しましょう。適度な運動や食事を規則的にとり、夜間の大食いを避け、アルコールを控えましょう。また睡眠、休養を十分とり、ストレスをためない様に心がけてください。
「そんなこと言われても、仕事や勉強も忙しいし、付き合いもあって難しい」とおっしゃる方も多いと思います。その場合には、お薬による治療を行います。
IBS治療で使われるお薬は多岐にわたります。よく使われるものとして、腸の運動を整える薬や、プロバイオティクス(整腸剤)、腸内の水分バランスを調整する薬などがあります。そのほか、腹痛を抑える薬、下痢止め、漢方薬・抗うつ薬を使用する場合もあります。これらの薬を患者様と相談しながら、一人一人に合ったものを選択していきます。
また、症状にストレスや心理的な要因が大きく関連していることもありますので、お悩みなどあれば遠慮なくご相談ください。