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一般内科

一般内科では、皆様が日常生活の中で比較的遭遇しやすい症状や病気を診療します。
下記に代表的な症状や病気を並べてみましたが、「何科に相談したらいいかわからない」などでお悩みの方もお気軽にご相談ください。
循環器疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患、内分泌・甲状腺疾患などにも幅広く対応いたします。

例えば、このような症状がある方はご相談ください

  • 発熱や咳、痰、鼻水、のどの痛みなど
  • 呼吸がゼーゼーする、息苦しい、咳だけが長く続く
  • 頭痛やめまい、立ちくらみがする
  • 胸が痛い、動悸がする、息切れしやすくなった
  • 腹痛、下痢、便秘、お腹の調子が悪い
  • 吐き気、嘔吐、胃のムカムカ、お腹の張り
  • 食欲がない、最近疲れやすい、体重が減ってきた
  • 花粉症、蕁麻疹、喘息などのアレルギー
  • トイレが近い、排尿時の痛み、血が混ざる
  • 湿疹がでる、皮膚が乾燥してかゆい
  • 夜眠れない
  • 足がむくむ

かぜ

皆様に一番馴染みのある病気は「かぜ」だと思います。
では、「日本人は年に平均何回かぜをひくでしょうか?」
答えは、小児を除いた日本人は年間で平均2回前後といわれています(小児は平均6~7回)。一生で計算すると、平均200回近くも風邪をひくことになります。ですから、かぜに対する正しい知識と予防策を理解することがとても重要です。
まず、かぜ症候群の原因の80~90%はウイルスの感染で、それ以外は一般細菌、マイコプラズマなどが挙げられます。
症状としてはくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどのいがらっぽさなど、鼻やのどの粘膜の異常が顕著にみられます。発熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身倦怠感など全身症状があっても軽いのが特徴です。
治療は、ウイルス感染には抗生物質が効かないため、症状を抑えるお薬を服用しながら、安静、水分・栄養補給により自然治癒を促します。また、扁桃腺・副鼻腔・呼吸器系の症状が強く、細菌感染を疑わせる場合には、抗菌薬投与が必要になることもあります。

当院では、10分程度で白血球・CRP(炎症反応)が測定できる機器を導入し、ウイルス感染と細菌感染の鑑別や炎症の程度の把握に役立てています。
「かぜ」であっても、肺炎や髄膜炎など、まれに重症化するため、当院では慎重に経過を診させていただきます。

インフルエンザ

インフルエンザは、国内では例年12月~3月に流行し、例年の感染者数は国内で推定約1,000万人とされます。インフルエンザでは、咳やのどの痛みなどの呼吸器の症状だけでなく、高熱、全身のだるさ(倦怠感)、食欲不振などの全身症状が強く、しばしば、頭痛や関節痛・筋肉痛など呼吸器以外の症状を伴います。重大な合併症には急性脳症(インフルエンザ脳症)や重症肺炎があります。もし、インフルエンザが疑われる症状に気づいたら早めにご相談ください。

インフルエンザ早期診断システム
インフルエンザ早期診断システム

当院では、インフルエンザ早期診断システム(富士フィルム社製)を導入しています。一般的な検査キットに比べ、100倍の高感度検出技術により微量なウイルスでも検出できるようになりました。通常、発熱から1日程度経過しないとウイルスを検出できないことが多いですが、発症間もない患者様に使用させていただくことで、早く診断・治療ができる場合があります。

急性胃腸炎・感染性腸炎

胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。学校・家庭内に感染した人がいる場合、ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れることで感染します。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。
当院では、帰宅してからの家庭内感染予防やORT・食事摂取についても、しっかり説明いたします。

気管支喘息・咳喘息

気管支喘息は空気の通り道に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。日本での小児喘息の有病率は約 7%、成人喘息は 4%といわれ、この30年で、約3倍に増加した国民病です。
原因はチリダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどのアレルギーによることが多いのですが、その原因物質が特定できないこともあります。発作的に咳や痰が出て、ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴って息苦しくなります。夜間や早朝に出やすいのが特徴です。
また、カゼのあとに咳だけがいつまでも残る、何週間も空咳が続く、呼吸困難を伴わない場合には咳喘息も疑われます。
治療の一番のポイントは、「症状が無くなれば喘息は治った」と思って治療を自己中断しないことです。症状がなくなっても気道の炎症は続いています。そして炎症が続くと気道が固く狭くなり元に戻らなくなります(リモデリングと言います)。治療を自己中断することが、将来の治療を困難にしますので、通院を継続しながら中止時期を相談していきましょう。
治療薬の主役は吸入ステロイド薬と気管支拡張薬です。ステロイドと聞くと恐怖心を抱く方もおられると思いますが、吸入による局所投与なので、適切に使用すれば全身の副作用は少ないのでご安心ください。

頭痛

頭痛はとても身近な症状です。頭痛には沢山の種類があり、放っておいても大丈夫なものや、すぐに専門的な治療が必要なものがあります。 以前から同じような頭痛を繰り返している場合、緊張型頭痛や片頭痛の可能性が高いです。それぞれにあった治療法、治療薬がありますのでご相談ください。必要時には連携施設で頭部CT・MRIを行います。
急におこった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴う、数週間のうちに悪化してくる、吐いてしまう、などの場合には、至急、脳神経内科・外科を受診する必要があります。直接高次医療機関を受診いただくか、当院からご紹介いたします。

胸の痛み

胸の痛みで受診された場合、その原因のほとんどは緊急性のない疾患ですが、なかには心筋梗塞、(不安定)狭心症、(緊張性)気胸、大動脈解離、肺塞栓など緊急性が高い疾患のケースもあります。
胸の痛みは非常に多くの疾患でみられる症状なので、鑑別診断がとても大事です。そのため、当院では、まず胸部レントゲン・心電図を行わせていただき、必要時は血液検査を追加し、慎重に診断と治療を行っていきます。また当院で対応が難しい疾患であった場合は適切な高次医療機関をご紹介いたします。

花粉症

現在、日本人の4人に1人は花粉症といわれています。様々な花粉が原因となって起こり、特にスギ花粉(花粉症全体の70%)は冬の終わりから春にかけて、毎年、くしゃみ・鼻みず・鼻づまり・目の痒みなどの症状で多くの人を悩ませています。日本では、スギのほかにもヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物が花粉症を引き起こすとされています。
治療は症状にあわせて、抗ヒスタミン薬などの内服薬・点鼻・点眼が中心になります。また、最近は根治治療が期待できる舌下免疫療法も一部の耳鼻咽喉科等で行われています(現時点で当院では行っておりません)。
当院では、お薬を選ぶ際に、患者様のご希望、車の運転の有無、妊娠・授乳の有無などをお聞きした上で、最適なものを選んでいきます。

膀胱炎

膀胱炎は頻尿、排尿の終わりごろの痛み、残尿感といった症状を認め、発熱はほとんどありません。女性に多く、何度も繰り返している患者様も多い病気です。
原因となる細菌は80%が大腸菌です。女性の場合は腸内細菌が肛門から膣に侵入し、膣で繁殖した菌が尿道、膀胱と登っていって膀胱に炎症を起こします。女性は肛門や膣が尿道口と近い上に、尿道が約4cmと男性の1/4の長さしかないため、菌が侵入して膀胱まで到達しやすい構造になっています。
まず診断のために、尿検査を行います。膀胱炎では尿中に白血球や潜血が多くみられます。また、何度も繰り返す方や症状が重い方では、培養検査を追加して原因菌を同定します。 治療は、飲み薬の抗生剤になります。最近は薬剤耐性菌も増えているので、効果が不十分な場合は抗生剤の種類を変えます。治療が遅れると腎臓まで菌が昇り、腎盂腎炎になって高熱が出たり腎不全になってしまうことがあるので、「少し様子をみよう」と我慢せず、早めの受診をお願いいたします。受診された際には、膀胱炎を繰り返さないための注意事項などを説明いたします。

貧血

「貧血」は少し説明が厄介で、医療従事者にとっての「貧血」と、一般的に使われる「(脳)貧血」とは全くの違うものなのです。 医療従事者がいう貧血とは血液中の赤血球が不足していることを意味します。貧血には色々な原因がありますが、一番多いのは、鉄欠乏性貧血です。赤血球を作る材料(鉄)が不足しているために、血液の流出(女性の場合は月経、高齢者の場合はがんだったりします)に赤血球の製造が間に合わなくなった状態です。
症状は、体を動かしたときに息切れや動悸、頭痛、めまい、立ちくらみ、疲れやすくなるなどの症状が見られます。また鉄が不足することで、爪が割れやすくなる、唇の端や舌に炎症が起こる、氷などを無性に食べたくなる、髪が抜ける、肌が荒れるなどの症状が見られることもあります。
治療は、第一に原因の治療です。月経過多や子宮筋腫が原因であれば婦人科を受診していただき、胃や腸からの出血が疑われる場合は消化管内視鏡検査を検討します。その上で、鉄剤の内服を改善するまで継続します。

起立性調節障害(起立性低血圧)

一方で、急に立ち上がったり、長時間立っている時に、失神、めまい、冷や汗、吐き気、脈拍があがるなどの症状は、医学的には「脳貧血」という言葉は使わず、「起立性調節障害(起立性低血圧)」と言います。思春期のお子様や、若い女性に多く見られます。 難しいメカニズムはここでは省略しますが、症状は午前中に強く、午後には軽くなるのが特徴です。お子様の場合には、夜になると会話をしたり、テレビを見たり、スマートフォンを操作したりして楽しむ様子が見られます。ところが、また朝になると体調が優れず、学校を休みがちになるので、周りからは「怠けているのでは」と誤解されることも多いようです。小学校高学年全体の約5%、中学生は全体の約10%の子どもが発症するといわれる、非常にありふれた疾患ですので、まわりが正しく病気を理解し、治療に協力してあげることが大切です。
日常生活における改善策を試しながら、成長とともに自然と回復する場合が多いですが、症状が強い場合には内服薬や漢方薬などを試してみる場合もあります。当院では、他の病気(脳神経疾患、不整脈、貧血など)がないかを、診察・検査等で慎重に除外したうえで、一人一人にあった治療法を提案いたします。

頻尿

頻尿症は年齢とともに増加します。夜に何度もトイレに行くと睡眠不足、転倒のリスク、生活リズムの乱れに繋がります。「年だからトイレが近いのは仕方ない」、「相談するのが恥ずかしい」と思っている方も多いと思いますが、まずはお気軽にご相談ください。原因となる生活習慣、薬の服用、ストレスなどがないか確認し、過活動膀胱や前立腺肥大が原因であった場合には内服治療で改善できることもあります。

不眠症

日本では約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいます。
よく眠れないために、日中の眠気、注意力の散漫、疲れなどの体調不良が起こります。
若い頃にはまれですが、加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。

症状は、
①夜寝つきが悪い
②眠りを維持できない
③朝早く目が覚める
④眠りが浅く十分眠った感じがしない
の4つのタイプに分類されます。

治療は、まず、不眠の原因となる気づかない習慣や、隠れた疾患がないかを精査した上で、それぞれのタイプに適した治療薬をお選びします。睡眠薬自体に不安をお持ちの方も、今は色々な良い薬がありますので、まずはお気軽にご相談ください。